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2015年11月20日

KPIは地域の面白さ。移住者増加に頼らない町づくりとは?

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こちらの記事は以下の前編の記事の続きになります。
『空き家を全て埋めるほど移住者を増やせば地域活性になるのか?』

金谷の地域活性について身内で話し合う「金谷プチ未来会議」。
前回の話では、空き家を埋めるだけでは人口は足らず、移住者をより増やすためには住める場所をより増やす必要がある、という結論になりました。

ですが、町を変えてまで移住者を増やす必要はあるのでしょうか?

金谷の魅力がなくなっては意味がない

アパートやマンションを作るうえでの懸念点は、町の景観が崩れ金谷の魅力を損なってしまうのではないか、という問題です。
金谷で綺麗な夕日を見ることができるのは高さがある家が少ないからで、鋸山から町を見下ろしたときに大きなマンションがあると綺麗とは言い難いです。

もちろん高さがないアパートや景観を第一に考えた建物づくりも可能ですが、人口が増えることで町の魅力が損なわれる可能性は0ではないはず。

移住者を増やさずとも解決できるのでは?

移住者の話から議論が始まりましたが、そもそも移住者は町に必要なのでしょうか?
なんとなく「地域活性=移住者促進」という風潮があるように感じますが、移住者がいなくとも町の課題は解決できるのはないでしょうか?

具体的に、金谷が抱える問題を移住者促進で解決できるのか、別の形で解決できるのか考えてみました。

小学校の児童数不足⇒他地域からの通いを増やす

やはり人口減少で気になるのは小学校の児童数。
小学校近隣に住んでいる方が通いやすさは増しますが、金谷の外に住んでいても区域内であれば金谷小学校に通うことになります。

決して金谷の町の中心に移住者を増やさずとも大丈夫といえそうです。
(もちろん近隣に住めないのは不便なのでベストではありませんが)

商店の活性化⇒移住者が増えても外で買い物する

移住者が増えれば商店街が活性化する、という意見がありますが、決してそうとは言い切れないです。
郊外にいくと安い大型スーパーがあり、仕事帰りにそれらのスーパーによって買い物する主婦層は多いでしょう。
決して移住者だけでなく、町に昔から住む人たちでもそういった行動は少なからずとっているかと思われます。

もちろん移住者が増えることで顧客は増えると言えますが、移住者促進だけで盛り上がるかというとそうではないかと思われます。

後継者不足⇒移住者が後継者になることは少ない

自営業のかたの場合、後継者がいなくて事業が継続しないケースがあります。
家族経営といっても、子どもが継ぐことは少なくなっていますし、子ども以外に継ぐ必要はありそうです。

では、移住者が後継者になるかというと、やはり厳しいでしょう。
後継者になるために移住してきたのであれば問題ないですが、別の目的や仕事があって移住してきているため後継者になることは難しいです。
出会いがあるだけ移住者がいないよりマシですが、それでも後継者が見つかる可能性は低いです。

これらのことから移住者促進で金谷の問題が解決するかというとそうではなく、移住者促進以外で解決すべき問題のほうが多いことが分かります。
結果として人手が必要にはなりますが、人手があるだけでは解決しません。

地域として魅力があるか/面白いか、が指標

では、どういったことをすれば、地域が抱える問題を解決することができるのでしょうか。

根本の課題は「金谷が魅力的な場所であるか」。

金谷にある商店や施設、企業がより魅力的になれば自ずと求める人材が集まる。
求める人材が集まり抱える問題が解決していけば、金谷の地域活性に繋がる。
その過程の中で、結果として移住者が増えればいい。

という意見がありました。

町や商店をより魅力にするための施策はまだまだたくさんあります。
例)『地産地消では地域は救えない。商品券を配るよりも仕組みづくりが大事。』

地域活性をするうえで、そういったことを第一に考えていくのが町の発展に繋がるのではないでしょうか。

移住者増加に頼らない町づくりを目指す

決してこれが答えではなく日々アップデートしていきますが、一つの考えとして「移住者増加に頼らない街づくり」を目指すことはいいのではないか、と思っています。

町として魅力的なコンテンツを提供し、各々の課題解決をしっかりと行っていくこと。
そのなかで人手が必要となり、結果として移住者を増やすような形をまずは意識してやっていくことになりました。

今後は、そのために具体的にどんなことをしていけばいいのか、何から着手していくか、を話し合う必要があります。
資本や人材など限られたリソースで行うため、優先順位をしっかり付けてスピードを上げていかなくてはいけません。

それらは今後のなかで話し合っていき、行動に移していきますので、金谷の今後をぜひ楽しみにお待ちください!

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山口拓也

山口拓也

まるもオーナー兼WEB担当です。WEBメディア運営の仕事もやっています。マンガと将棋と海外旅行が好きです。
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